【コラム】SNSはホンモノか? レンレン上場にみるIPOバブルの今昔(3)

どうなる? LinkedIn、Facebook 上場
来週はいよいよアメリカの大規模SNS「リンクトイン(LinkedIn)」が上場する。リンクトインは、 登録ユーザ数1億人以上のキャリア情報中心のSNSで、「プロフェッショナルのFacebook」とも呼ばれる人気サイトである。このリンクトインも、金額の違いはあれ、レンレンと同じような運命を辿るのだろうか?  

SNSに本物のビジネスは存在するのか? (Image: graur razvan ionut)

ここで注目したいのは、リンクトインの営業利益である。大部分のSNSはユーザに無料でサービスを提供しながら、広告収入で売り上げを確保している。しかし、リンクトインは広告収入の他、ユーザにより登録された情報を求人情報を求める企業やリクルーターに提供、サービス・フィーを得るという事業も展開しており、「商品(=情報)を売る」という本物のビジネスを有している。リンクトインの営業利益は、2008年、2009年こそ赤字だったが、2010年には1960万ドルの黒字に急伸している。いわゆる「リアル・マネー(本物のお金)」を稼ぎ出す企業だという点がレンレンとは大きく異なる。このリンクトインのIPOがどのような結果になるか、大変興味深い。

ところで、人気SNSの上場が相次ぐ今、投資家達の最大の関心は、Facebook のIPOだろう。今年中もしくは来年とも噂されるFacebook のIPO は、再びバブルを巻き起こすのか。

今後のSNSへの投資について、前述のロドリゲス氏はこう語る。
「最近チェックした情報によると、Facebook の企業価値は800億ドル。一方、インドで一番大きいといわれる企業グループ、Reliance※の時価総額は750億ドル。(同じような価値を持つとされる2つの企業だが)Reliance は営業活動によるキャッシュ・フローは70〜80億ドルに上る。ソーシャル・ネットワークと、本物のビジネスを有する急成長中の企業、どちらにバブルがあるんだろう?
ソーシャル・ネットワークは人気の高まっている興味深い現象ではあるけれど、投資家としてはSNS企業が『リアル・マネー』を稼ぎ出すところを見てみたいね。Facebook やTwitter は一昔前の theGlobe.com や myspace に比べれば確固たるユーザを獲得して、ユーザのネットワーキングには貢献しているようだが、それでも、実際どこに本当のビジネスが存在しているのか?私にもまだよくわからないんだよ。」

※Reliance・・・リライアンス・インダストリーズ。インド、ムンバイに本社を置く石油、ガス、バイオテクノロジー等を手がけるインド最大のコングロマリット。

(取材・文 志茂真奈美)

カテゴリー: ニュース from US, 特集記事, IT ビジネス, The Wall Street News コラム, Uncategorized タグ: , , , , , , , , , , , , パーマリンク

コメントを残す